2012年01月04日

総合栄養食の話(フードの表示について)



昔、獣医さんに言われたことがあります

「手作り食は一時やめて安全なフェレットフードに変えてみては?」

風邪をひいた!って病院に駆け込んで、こんなこと言われたら
どう考えても「手作り食は危険」って聞こえますよね
「安全」の反対語は「危険」なのですから(^^;


今では、この時の言葉は栄養素の話をしていたんだろうと受け止めています

素人が作る手作り食では栄養不足があるかもしれないから、
栄養バランス(?)のとれたフェレットフードにした方が「安全」ということなんでしょう
(かなり偏見が込められた言葉ではありますね(笑))


一方、このブログで何回かにわたって書いてきた「安全性」の話は、
添加物や、原料の質など、食品としての「安全性」


両者とも健康に関することではあるのですが、
本質的に全く別のことですよね


「我輩は猫である」の猫は、国産オーガニック猫まんまを食べていたから
品質は良かったけど(100年まえは農薬がなかったので)、
きっと「栄養バランス」が悪くて早死にだったのでしょう(^^;


でも、猫に刺身をあげると「虫がわく」とか「身体に悪い」と言う人がいますが
(うちの実家もそうでしたが(^^;)
なんとなく、「人間の食物を食べさせてはいけない」と思っていたり、
「総合栄養食」とか書いてあると、「安全」な食事だと思ってますよね?


なので、刷り込まれた呪縛(?)を解くためにも、
「栄養素」の問題と食品としての「安全性」の問題を切り分けて、
フェレットフードの表示について考えてみたいと思います。



ペットフードは基本的に、「水とフードだけで大丈夫!」という食品だと以前書きましたが、
それには条件があり、規則の上では「総合栄養食」と書かれているペットフードに限られています。

「総合栄養食」という表示は、「ペットフード公正取引協議会」が
「ペットが生きていく為に必要な栄養素を満たしている」と認めた商品のみ、
表示できることになっており、
それ以外は「一般食」「副食」「おやつ」など、色々な書かれ方をするので判りにくいですが、
要するに「総合栄養食」と書いていなければ、
これだけでは栄養素が足りない(恐れがある)商品だという意味になります。


じゃあ、なにをもって足りてる、足りてないの判断をするか、ですが
「ペットフード公正取引協議会」が何か試験をしたり承認をするわけではありません(^^;

よく聞く「AAFCO(全米飼料検査官協会)」の基準に合っていればOKという
この協会は何のためにあるんだかよくわからない規則になってます(笑)



じゃあ、AAFCOの基準ってなに?と言うと、
AAFCOでは犬と猫の「栄養基準」と
「給与試験方法の基準」(給与試験プロトコル)を定めています。

AAFCOというのはアメリカ50州それぞれにあるそうで、
それぞれが基準を作っているというので、
「AAFCO認定」と書いてあっても、
いったいどこの基準なのか分からないってのも凄いですが

一番驚いたのは、「AAFCOの給与基準をクリア」などと書いてあるのに、
AAFCOは基準に基づいて検査をするわけではなく、「基準」を定める機関なので、
業者が独自で検査をして「うちのフードはクリアした」と自ら書いているそうです(笑)

(その基準に関しても問題が多々ありますが、ここでは置いておきます(^^;)


しかも!

「AAFCOの給与基準をクリア」と表示するためには、
栄養基準を満たしており、かつ、給与試験が基準通り行われ適正水準にあることが
条件なのですが、

「AAFCOの栄養基準を満たしています」 ←栄養基準のみ?

「AAFCOの給与試験基準をクリアしています」 ←栄養基準はクリアしてない?

などなど
栄養基準を満たしていなかったり、給与試験をやっていなくても、
平気でAAFCOの名前を出して表示しているフードがあるみたいですね

酷い場合には、「AAFCO認定」「AAFCO承認」とだけ書いてあるフードも沢山あるそうです

認定されてるなら、ちゃんと定められた方法で書けばいいのに、
おかしな書き方をしているということは、
なにかしら問題があるって事なんでしょうね(^^;


「栄養が満たされてる」事を基準にフードを選んでいる人は、
少なくともおかしな表記のフードは疑ってみれるだけの知識は必要かもしれません



そして、日本の基準ですが、

「栄養基準」か「給与試験基準」どちらかをクリアしていれば
「総合栄養食」と表記できるそうです
(前述の通り認定書を発行するわけではないので「自称」です(^^;)

って事は、栄養基準を満たしてなかったり、給与試験をやってなくても、
「総合栄養食」と表記されている場合があるって事ですよね??

業界団体の自主規則とはいえ、なんと身内に甘い基準なことか(^^;


その見分け方としては、

「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています。」

と書かれていたら、AAFCOの栄養基準を満たしているという意味


「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されています。」

と書かれていたら、AAFCOの定める「給与試験基準」を満たしているという意味です


なんというか。。。

わざわざ表記をわけているのに消費者にその意味を伝えていないってのは、
どう考えても確信犯ですね(-.-;


ちなみに、両方を満たしている場合の表記方法は定められていないのですが、
どう書いてあるんでしょうね?
「給与試験基準」を満たしていれば栄養基準はクリアしてるって意味なのかな?





とまあ、ここまで書いてきましたが、


既にオチはバレていると思いますが、AAFCOにはフェレットの基準はなく、
当然、ペットフード公正取引協議会もフェレットフードは対象外です(^^;



じゃあ、なんでここまで長々と書いたんだ!?って話ですが

フェレットフードのフェレットフードたる所以である
「栄養バランス」なるものは、犬猫のような「公的な根拠はない」ということ

そして、「バランス栄養食」など「総合栄養食」っぽい事が
各フードのパッケージには書かれていますが、
給与試験をやっていなかったり、詳しい根拠が書かれてなければ、
なにをもって「フェレットが生きていく為に必要な栄養素を満たしている」
と言っているのか、全く分からないという事が書きたかったわけです(^^;

詳しい人は当然知っていることかもしれませんが、
昔の自分も含め、ほとんどの人が無条件に「これさえあげれば大丈夫」と
考えているんじゃないかと思うので(獣医さんも思ってたし)


しかも、どのフードとは言わないけど、

「この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されています」

なんて、公的に認められているかのような表示がされているフードが
2社もあったりするので
(前述の通りフェレットは対象外なので協議会の定める「総合栄養食」ではありません)


消費者の側としても、「ビール酵母配合!」みたいな
あまり意味のない表記で商品を選ばず、
中身が分からないなりにも最低限の知識を持って
商品を選ぶ必要はあるんじゃないかと思いますね



メーカーの側も、以前書いた、不都合な酸化防止剤を書かない事も含め、
飼い主の無条件の信頼に、もっと真摯に応えて、
規制や基準値などがないのであれば、なぜフェレットに適しているのか、
ちゃんと店頭で判断できるようにパッケージ上で(悪いことも正直に)
詳しく説明するようにして欲しいものです


フェレットフードは安全
これさえあげていれば、うちの子は健康に育ってくれる


みんなそう信じてフェレットフードを選んでいるんですからね



posted by marugaonet at 08:00 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | フェレットフード | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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